FC2ブログ

嫁いで行く家具さん達 9

2G5A4384_LrC2s-.jpg

 この彫りが美しいドローリーフテーブルは、今月末に嫁いで行きます。
このテーブルを選んで下さったのは、今年1年生になる元気な男の子のいる若いご夫婦です。
まだ、幼稚園に入園する前のいたずら盛りのR君と共に、おっとりとした柔らかな雰囲気のHさんがクレマチスを訪れて下さってからもう4年近くになります。
あの頃は、良く動き回る元気なR君を追いかけるのに一生懸命で、「なかなかゆっくり見られないです。一人で来なければ無理です。」とおっしゃっていたHさんです。が、久しぶりにママと来てくれたR君はほっそりと背も伸びて、凛々しい少年になっていて、「こんにちは!」とニッコリ。
「まぁ!ずいぶん背が伸びて。」と、こちらはばーばの気分で、嬉しくなってしまいました。
2G5A4388_LrC2s-.jpg

天板を左右に広げることが出来るドローリーフテーブルは、普段は閉じて中央のテーブルのサイズで使用し、来客時に人数に合わせて、片側だけ引き出したり、両サイド引き出して広く使用したりできる便利なテーブルです。
ヴァルボスの脚は美しくて全体にどっしりとしているのでぐらつくこともなく安心です。
ですが、アンティーク家具のこの美しい木目や、透明感のある美しい艶は魅力であると同時にちょっと厄介な面もあるのです。
無垢材をなんども何度もニスを塗ってはペーパーを当てて表面を仕上げて行くのですが、この昔から使用されているニスは水分に弱いという特徴ががあります。
それで、私としてはテーブルをお買い上げ下さるお客様がお若い家族の場合は特にあれこれ説明させていただくのです。
「水分にはお気をつけ下さいね。濡れたままにしておくとニスが白く変色してしまいます。」
「はい、濡れたものは置かないのね。」
「湯呑やマグカップも熱いと白い輪ジミが出来てしまいます。」
「はい、布のソーサーをつくろうかな。」
といった会話のあと、
「やはり、これ買います。」
と決めて下さって、(しつこくてごめんなさい)ほっとするのです。

20210219_121041s-.jpg

20210219_121008s-.jpg


今回、このテーブルにはセットの椅子はなくてテーブルのみで入荷していましたから、Hさんはこのハイバックチェア2脚を合わせることに。午後の陽ざしの中で撮影しましたので(単に写真を撮るのが下手なのですが)優しい桃色のモリスの生地の色が上手く出ませんでしたけれど。
「背もたれが高くてどっしりしてシンプルなのがいいです。」
と、Hさんは迷わず決めていらして、ご自分の決定に満足そうに微笑んでいらっしゃいました。

20210220_123913s-.jpg


これからこのテーブルを囲んで、Hさんご夫婦とR君の新居での楽しい暮らしが始まります。
まだ小さな育ち盛りのお子さんのいらっしゃるお宅ですから、慌ただしい毎日だとは思います。ですが、あのドローリーフテーブルを選んで下さったHさんです、毎日を丁寧に暮らして行かれるのでしょう。
若いHさんご家族に幸多かれと願っています。

光の芸術ルネ・ラリック

20210207_231526s-.jpg

 2月に入り、もう10日もたちました。
まだまだ寒い日が続きますが、「2月は光の春」と言いますよね。春の予感がするキラキラした陽ざしがあちらこちらに踊ります。
庭のハナミズキの硬い小さな蕾にも、窓辺に飾った観葉植物の葉先にも。

毎年ですと、この時期には「光の春のガラス展」などを開催しています。ですが今年はコロナ禍の中、緊急事態宣言も延長され、心塞ぐ思いで過ごしているのは私だけではなく、皆さん同じではないでしょうか。
ですが、精神的にも肉体的にもギリギリの状態で休みなく働いていらっしゃる医療関係の方々の事を思えば、弱音は吐けません。
私が参加している図書館のボランティアグループのお仲間にも若いママで頑張っていらっしゃる方がいらして、頭の下がる思いです。

 20210207_230302s-.jpg

 2月になると、ルネ・ラリックの作品を飾りたくなります。(本当は一年中見ていたいのですが。猫のミーシャの悪戯が不安で、高さのあるものはしまってあるのです。)
ガラスの好きな私はガレもドームも好きですが、ラリックは特に好きな作家です。ガレの個性溢れる芸術品も、優しい景色や植物の命をガラスに映し込んだようなドーム兄弟の作品も好きですが、光をそこに集めたような、「光の芸術」とでも言えるラリックの作品はとても好きです。

20210207_231558s-.jpg

ラリックは、初めは装飾品のデザイナーであり創作者でした。コウモリやクジャク、或いは花蜂などなど色々な生物や植物を金・銀・ガラス・七宝と宝石などを自在に組み合わせ、数々の美しい装飾品を創り上げていました。

20210210_181135s-.jpg

パリ装飾美術館に所蔵されている髪飾り「花蜂」は、植物の蕾に留まる3匹の花蜂をリアルに表現していますが、素材の主役は薄く青く透き通る美しいガラスです。その薄青いガラスの花蜂が、植物の蕾を表現するカットダイヤより美しいのです。

と言っても、まだ本物にお目にかかった事はないのですが!
いつか会えるでしょうか!

20210210_160144s-.jpg

その後ラリックは装飾品の創作をやめて、芸術的ガラス製品創りに専念することとなります。
そのガラス製品は、ガレやドームのものよりも、もっと家庭で多くの人たちに使ってもらえるような花器や皿や鉢。或いは彫像、或いはグラスや香水瓶。
「型吹き成形」で作られたのが、口が胴よりも小さな形をした袋状のもの、香水瓶や壺などで、「プレス成形」で作られたのは深いレリーフのある口の広がった花瓶、皿や鉢、彫像などです。そのいずれも、ラリックは色ガラスを用いることはなく、無色ガラスを用いるかパチネの技法でごく薄く色を付けていました。

20210210_160206s-.jpg

それによって、ラリックの作品の表面には光が踊り、光が集まるのです。

20210210_160246s-.jpg

そして、光がガラスを透過するのをより強く感じられます。

20210210_160316s-.jpg

3月中旬には「春のアンティークフェア」を開催できると良いのですが。

思いがけない花束

20210129_230058s-.jpg

「はい、敬子さん!おめでとうございます。」
と、愛らしく瑞々しいチューリップとスイートピーの花束を頂きました。
「えっ?私に?」「娘の変わりに私が頂いておけばいいのかしら。」
と戸惑う私に
「いえいえ、敬子さんにです。お孫ちゃん、おめでとうございます。」
と、にっこり、この水切りしたばかりと思える瑞々しい花束を差し出して下さいました。
クレマチスのお店を始めたばかりの頃からのお客様。というより、もう親戚の姪っ子ちゃんのような気分でお付き合いさせて頂いているkさんから。(今はご結婚されて、Oさんですが、ついつい旧姓で呼んでしまうのです。)

久しぶりに来て頂く前に、ブログで双子の孫の誕生を知ってこんなメールを送って下さっていたのです。
「敬子さん、ご無沙汰しています。
今、クレマチス便り拝見しました。双子の天使ちゃん可愛いです。
おめでとうございます!」と。
私ときたら、ショートメールに気が付かず、先程お電話もいただいていました。

久しぶりで、お互いマスクで距離もとりながらもついついお話をしてしまいました。

20210129_230321s-.jpg

kさんもそうですが、今回ブログで「娘の所に舞い降りてくれた二人の天使たち」の事をお知らせして以来、やはりお客様で、わざわざメールを下さった方もありました。
「どうぞ、健やかに育つように、陰ながら応援しています。」と。
ありがたいです。(娘の最近の口癖です。)
コロナ禍の事もあり、このところ会えてない義理の姉からも電話をもらいました。こちらは、娘のブログでフェンフェンたちを見て、
「なんだか嬉しくて電話しちゃった。」
私も嬉しくなる弾んだ声でした。

小さな命。ようやく順調に育って来てくれた二つの命。この新しい命の力の偉大なこと!
皆を結び、心を繋いでくれます。
皆の優しい応援を受けて元気に大きくなあれ!

バナナベッドを頂きました。

 16年10か月、共に暮らしたミニチュアダックス・リリーが亡くなって、何かしら心が沈む日々を過ごしている間、猫のミーシャは初めの2日間ほどは神妙でした。まだそのままになっているリリーの布の小屋を「恐る恐る」という感じでのぞいたり、水入れの匂いを嗅いだりと。

ところが、3日目あたりから、いつものように、いえ、いつも以上に悪戯はするし、夜泣きして何度もベランダに出たり入ったり。元気過ぎるミーシャに私も主人も腹を立てていました。
「リリーは静かでいい子だったね。」と。

そんな日が続いて、昨日、久しぶりにお店に来てくれた友人のキー子さんから
「はい、ミーシャにあげて」
と、バナナベッドを頂きました。お家のワンコちゃんに買ったものの、その元気なヨーキーのライチ君は
「入れてもすぐに出てきて使わないから。」
ということで、早速閉店後自宅に持ち帰りました。

20210129_083237s-.jpg

すぐにミーシャが寄ってきて、匂いを嗅いだり遠くからぴょんと飛びついたりの挙句に、こうなりました。
「あーあ、ふんずけちゃったね!」

20210129_083346s-.jpg

でも、暫くしたらこうなって、

20210129_083505s-.jpg

最後は、墜落気味に眠り込んでしまいました。

リリーを亡くした気持ちの落ち込みと、元気なミーシャの様子が折り合わないで、知らず知らずイライラしていたようです。バナナベッドの明るい色と形と、そこに眠るミーシャの姿が面白く、自然に笑顔になっていました。

グッドタイミングで、「はい!ミーシャに。」と持って来てくれてありがとう。
ミーシャに、と言ってくれたのは、お嬢さんのSちゃんです。
ラインで感謝の言葉を伝えてもらったら
「ありがたいね。」ですって!

「ありがたいね」の言葉。実はこの頃ドイツの娘も、よく使うのです。
「みんなに喜んでもらえて、ありがたいね。」
「ブログ、皆さん読んでくれてる。ありがたいね。」と。

Sちゃんもうちの娘も同じ年頃です。彼女たちが「ありがたいね」と自然に、普通に使っていてくれる事、周りの人や事象に感謝の言葉が自然に出てくれる事に、とても嬉しくて「日本の女の子は大丈夫!」と、ちょっと誇らしい気持ちにもなったりしました。
二人は声をそろえて
「もう女の子じゃないから。」と言いそうですけど。

このブログを今まで「ドイツ便り」としていましたが、これから「クレマチス便り」とさせて頂きます。
そして、娘が始めた「パパとママの物語・ドイツ便り」が「ドイツ便り」として独立したブログになりました。
娘は、ちゃちゃっと文章を書いてしまうので、すぐに更新するでしょう。どうぞ、読んで頂きたいと思います。私はというと、のんびりマイペースで更新させて頂きます。
これからも、お付き合い宜しくお願い致します。


生まれる命と逝く命

 本日、長年私の傍に寄り添ってくれていたミニチュアダックスのリリーが永眠いたしました。16歳10か月でした。

ドイツで暮らす娘達に小さな命を授かった事を、このブログで紹介させて頂こうかなと思っていた矢先の事でした。

リリーは娘が「犬を飼いたい」という事で、我が家にやって来ました。5年後に、その娘がまさかのドイツ暮らしになり、どちらかと言えば猫好きの私たち夫婦の元にりりーは残されたのでした。

20210122_182049s-.jpg

おっとりとした静かな子でした。無駄吠えを全くせず、
「この子、耳が聞こえているんでしょうか?」
と子犬の頃に獣医さんに連れて行ったこともあったほどです。
でも、実は中々気持ちの強い子で、お散歩でどんな大きなワンコさんに出会ってもひるまず、吠えず、しっぽを振って挨拶に行くのでした。
「ミニチュアダックスで吠えない子は、リリーちゃんだけですね。仲良くしてね。」
と大型犬の飼い主さんに喜ばれました。
掌にのるほどの小さな仔猫を拾った時も優しく受け入れて、寄り添っていてくれました。今ではその仔猫・ミーシャは、リリーよりも威張り、いたずらばかりしていますけれど。
上の写真は亡くなる数日前のものです。珍しくいたずらをしていて
「あらら、なにやってるの!リリー。ごはんもっと欲しいの?」
と言って撮った1枚です。
これが、元気なリリーの最後の写真になりました。

IMGP9966s-_20210122221950783.jpg

長年お世話になったミーシャは、優しかったリリーおばさんの一大事をとても緊張して見ていたようです。横たわるリリーの周りをそっと、何度も見に来ていました。

20210122_125459s-.jpg


とうとうその時が来て、庭のお花を採って、リリーの周りに飾った後で、ミーシャは緊張しながらりりーの鼻に顔を近付けていました。動物にも「死」というものが理解出来るのでしょうか。象は、仲間の「死」を理解し、群れ全体でその死を悼むといいますよね。

「リリーが最後の時は、何処にいても飛んで行くつもりだったのに。行けなくてリリーごめんね。」
と、言っている娘は、本当に飛んで来なくては来れない場所にいて、しかも今は来たくても来られません。新型コロナウィルスが猛威を奮っていることもありますが
娘たちに天使たちが舞い降りてくれたのです!

1611307658633s-.jpg

 もうあきらめかけた時に授かった小さな命です。
本当に小さくて、あまりにも早い、早産だったので、育ってくれるのか皆心配でした。
特に娘本人は、「無事に大きく育ってくれるのかな」と毎日心を砕いていましたから、中々ブログに書いてもいいかなと言えなかったのです。

1611328153943s-.jpg

それでも、大きく生まれた愛称フェンフェン(娘の希望で愛称で紹介させて頂きます。)が退院でき、そして一人病院に残されていた愛称レンレンも退院することができました。

1611328231557s-.jpg

これから忙しく大変な、でも幸福に満ちた子育てが始まります。
毎日の普通の暮らしの中にある小さな幸せを見つけて欲しいと思います。
イクメンなどという言葉が薄っぺらなものに聞こえるほど、婿のクリス君の働きぶりには頭が下がる思いです。
テレワークで仕事をこなす傍ら、おしめも替えるし、ミルクも飲ませ、(娘より背中をとんとんしてげっぷを出させるのが上手いとか)、それに何より、お料理は娘が助手でクリスがほとんど作ってしまうのですから。
そんなクリスと二人での、これからの子育てのこと、ドイツ暮らしのことなどを紹介したりするブログを娘も始めたそうです。
「パパとママのものがたり・ドイツ便り」として。
このブログを読んで下さった方にも是非読んで頂きたいと思います。
こちらです
sidetitleプロフィールsidetitle

クレマチ店主(母)/アコ(娘)+クリス(娘婿)

Author:クレマチ店主(母)/アコ(娘)+クリス(娘婿)
はじめまして!
アンティークショップ「クレマチス」(http://antique-clematis.sakura.ne.jp)店主の娘、アコです。

日本の古いものは大切に、でも、新しいもの・異質なものも寛容に受け入れる…そんな母の元、小さいころから日本舞踊を習い、現「クレマチス」店舗である祖母の古い日本家屋で、着物や日本の古いものにたくさん触れる一方、ピアノや外国語を習わせてもらったり、父の趣味であるクラッシック音楽や西洋美術を身近に触れる日々を送ってきました。

そんな両親の教育が功を奏し…いや、仇となり(?)、実生活にはあまり役に立たない比較文化分野で大学に居残り、これまたあまり役に立たないドイツ語だけペラペラに。おまけに語学を通して若くてイケメンな(笑)ドイツ人の夫と出会ってしまい、海外に嫁ぐという親不孝っぷり。

そんな娘を、ずっと温かく見守ってくれていた母。そんな母が、「古いものを大切にする喜びを、少しでも多くの人と分かち合いたい」という純粋な気持ちで、亡き祖母の家で始めた小さなアンティークショップ。元々、ずっと苦楽を共にした姑である祖母の家を、大好きなアンティークに囲まれた素敵な空間にしたい…という素朴な思いから始めたこのお店が、あれよあれよという間にいろいろなご縁を引き寄せて、母はいつの間にか、昔夢見たアンティークショップの店主になってました。

「古き良きものに洋の東西はない。和と洋は、互いを引き立て合う良きパートナーになれる!」…母が「クレマチス」で体現している価値観は、わたしたち夫婦のモットーでもあります。

このブログでは、そんな母と二人三脚で、「クレマチス」のお店の情報と併せてドイツの生活・風物について少しずつ紹介していきたいと思います。
どうぞよろしくお願いします。

sidetitleカテゴリsidetitle
sidetitle最新記事sidetitle
sidetitle月別アーカイブsidetitle
sidetitle検索フォームsidetitle
sidetitleリンクsidetitle
sidetitleブロとも申請フォームsidetitle

この人とブロともになる

sidetitleQRコードsidetitle
QRコード