ベルリンの博物館

金曜日の夕食時、クリスと話していて、ふと、古代宗教の話になりました。「ギリシャ神話やゲルマン神話の時代のヨーロッパ人の感覚は、なんとなく日本の神道と似ているね。アニミズム的感覚は、民族を問わず古代の人類に共通していたのかもしれないね。」「…一神教は、古代世界では異端中の異端だったんだろうね。ところで、世界初の一神教って、モーゼでもキリストでもないって知ってた?古代エジプト新王国時代のファラオ、アクエンアテン(アメンホテプ4世)が広めようとしたアテン信仰が、世界最古の一神教なんだって…。」

アクエンアテンと彼の美しい妻、ネフェルティティの話をしているうちに、なんだか古代エジプトとアクエンアテンの生きたアマルナ時代に興味を持ったわたしたち。「じゃぁ、明日アクエンアテンに会いに行こうか!」という話になりました。

ベルリンで、アクエンアテンに会える場所は、世界遺産の博物館島にある新博物館です。ということで、土曜日の午後は博物館デートに決定です。博物館島への最寄駅、ハーケッシャーマルクトは、この日はデモのため封鎖されていましたが…

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ベルリンでは日常茶飯事です(笑)。

いつもどおり観光客で賑わう博物館島に着いたのは午後三時ごろ。午後八時の閉館時間まではまだたっぷり時間があります。そして…予定通りしっかりアクエンアテン王との対面を果たしてきました。

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上の写真は、文豪トーマス・マンも見たという、アクエンアテン王の像ですが、実は古代の芸術家の習作なんだそうです。

それにしても、古代エジプト芸術には、王と王妃が仲睦まじくしている様子を描いたものが多く、なんだか温かい気持ちにさせられます。

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見ていると、こちらも自然とパートナーとの距離が縮まり、いつの間にか腕を組んで見て回っていたり…

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博物館デートにはもってこいのテーマかもしれません。

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新博物館には、古代エジプトを中心とした膨大な数の展示があり、日本の一般的な「博物館」の感覚でうっかり見に行くと、疲れ果てて回り切れなくなってしまいます。ベルリンの博物館島には、このレベルの博物館が、他に四つもあり、五つの博物館を全て回ると、がんばっても三日はかかってしまいます。だからこんな風に、気が向いたときにふらっと訪れ、自分が興味を持った分野の展示をピンポイントで見るのが本当は合っているのかもしれません。

そして、それこそまさに大都市のど真ん中に博物館だけが林立する一角が存在している理由でもあるのです。古代芸術や人類の遺産を、都市に住む普通の市民が身近に感じ、それによって、ごく普通の人々が、人類の歴史の延長線上に自分たちを見出せるようになること。それこそが、成熟した市民社会のあり方だ…というのが、この博物館島が形成された頃のドイツで流行った考え方でした。

「人々が、古代芸術や人類の遺産を身近に感じられること…そのための博物館なのだ」という考え方は、今でも生きているようで、展示品と見学者の間には、必要最小限の保護ケースがあるだけで、柵もロープもありません。多くの展示品は、保護ケースもなくそのまま展示され、手を伸ばせば触れてしまう場所に展示されています。

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また、特別な表示がない限り写真も撮りたい放題。古代遺跡の出土品や巨匠の名画と並んで記念撮影ができます。

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この新博物館で撮影禁止なのは、誰もが一度は歴史の教科書で見たことのある、エジプトアマルナ文化の最高傑作、ネフェルティティの胸像だけです。

さて、膨大な数の展示品に圧倒され、人類の悠久の歴史に触れ、疲れてしまったら、館内にあるオシャレなカフェでコーヒータイム!

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ここではサンドイッチなどの軽食の他、エジプトコーヒーやドイツ式のケーキを食べながらのんびりできます。
ここで充電して、次は古代ギリシャ部門に行ってみようかな…なんて考えていると、日常のことは忘れて古代の王や女王たちに思いを馳せることができます。

…そんな、ベルリンの休日でした。

テーマ : ドイツ生活
ジャンル : 海外情報

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クレマチ店主(母)/アコ(娘)+クリス(娘婿)

Author:クレマチ店主(母)/アコ(娘)+クリス(娘婿)
はじめまして!
アンティークショップ「クレマチス」(http://antique-clematis.sakura.ne.jp)店主の娘、アコです。

日本の古いものは大切に、でも、新しいもの・異質なものも寛容に受け入れる…そんな母の元、小さいころから日本舞踊を習い、現「クレマチス」店舗である祖母の古い日本家屋で、着物や日本の古いものにたくさん触れる一方、ピアノや外国語を習わせてもらったり、父の趣味であるクラッシック音楽や西洋美術を身近に触れる日々を送ってきました。

そんな両親の教育が功を奏し…いや、仇となり(?)、実生活にはあまり役に立たない比較文化分野で大学に居残り、これまたあまり役に立たないドイツ語だけペラペラに。おまけに語学を通して若くてイケメンな(笑)ドイツ人の夫と出会ってしまい、海外に嫁ぐという親不孝っぷり。

そんな娘を、ずっと温かく見守ってくれていた母。そんな母が、「古いものを大切にする喜びを、少しでも多くの人と分かち合いたい」という純粋な気持ちで、亡き祖母の家で始めた小さなアンティークショップ。元々、ずっと苦楽を共にした姑である祖母の家を、大好きなアンティークに囲まれた素敵な空間にしたい…という素朴な思いから始めたこのお店が、あれよあれよという間にいろいろなご縁を引き寄せて、母はいつの間にか、昔夢見たアンティークショップの店主になってました。

「古き良きものに洋の東西はない。和と洋は、互いを引き立て合う良きパートナーになれる!」…母が「クレマチス」で体現している価値観は、わたしたち夫婦のモットーでもあります。

このブログでは、そんな母と二人三脚で、「クレマチス」のお店の情報と併せてドイツの生活・風物について少しずつ紹介していきたいと思います。
どうぞよろしくお願いします。

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