黒い森・アルザス紀行―フライブルクとトリベルク編

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ドイツでは、残業をすると有給が増えるという制度があります。「40時間も残業しちゃったから有給が5日増えたよ!」とクリスが言うので、え?そんなにいつも遅く帰って来てた?と思ったら、「今年の一月から換算して」でした。ちなみに最近の彼は朝の10時過ぎに出勤して、夕方の4時半や5時には帰って来て、わたしと一緒にお買い物に行ったりご飯を作ったり…それでも「やるべきこと」は片付いているらしく、上司からは「模範的な働き方」と褒められているんだとか。ドイツってホントに緩くていいなぁ。

というわけで、増えた有給消化のために、急遽三泊四日のドライブ旅行に出かけてきました!
ドライブ旅行なので、いつも犬ホテルでお留守番のグスタフも今回は一緒です!

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これまで住んでいたミュンスターやベルリンは地の利の面ではとても不便で、特にベルリンは、首都なのに、東西ベルリンの時代から変わらない「陸の孤島」然としたアクセスの悪さがありましたが、それに引き換え、フランクフルトは地元に巨大空港があるだけでなく、車でちょっと走るだけで、ドイツのあらゆる地域にアクセス可能。数時間でフランスにも行けます。

今回は、ドイツ南西部にあるバーデン・ヴュルテンベルク州に行ってきました。この辺りには、日本でも「ドイツの黒い森」として知られている(かもしれない)シュヴァルツヴァルトがあります。そして、その黒い森の向こうには、現在ではフランス領アルザス地方の中心都市となっているストラスブール、旧ドイツ領エルザスのシュトラスブルクがあります。

ところで黒い森がなぜ「黒い森」と言われるのかというと…ドイツというのは、北部よりも南部の方が基本的に標高が高くなっています。北部は平地か湿地帯が多く、生えている樹木も落葉広葉樹が主なので、この地方の森は春夏は明るい黄緑、秋は赤や黄色、冬は葉が落ちて雪で真っ白…というように年中カラフルに見えます。北部に特に多いのが白樺で、幹まで白いので余計にカラフルに見えます。一方、標高の高い南部に多いのがモミの木を中心とした針葉樹で、年中こんな感じです。

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モミの木の葉色は限りなく黒に近い深緑で、年中葉が茂っているので森の中は下草が生えづらく、針葉樹の腐葉土と松ぼっくりのような実が転がっているだけで、昼間でも真っ暗に見えます。北部ドイツから来て初めて南部の針葉樹林帯を見ると、本当に「黒い森だ!」と思うわけです。

ところで、わたしは愛知県出身ですが、両親が信州(長野)に小さな別荘を持っていて、子供の頃は毎年夏休み・春休み・冬休みをそこで過ごしていました。なので信州は第二の故郷のように感じているのですが、ドイツの黒い森の風景はこの信州の風景によく似ていて、黒い森の中のログハウスホテルはまるで故郷に帰ったように居心地がよかったです。

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ちなみにこのホテルにはサウナとプールがあり、時間帯に因るのか、わたしたちが使う時はいつも誰もいなくて貸し切り状態でした。もちろん、サウナは衣類着用厳禁のドイツ式ですよ!このホテル、ごく普通の民宿風ホテルなのですが、妙に居心地がよくて、スタッフも南ドイツらしく人懐こくて感じがいいのでお勧めです。Salmenという名前です。…あ、でも近辺でユーレイさんが出ます←

今回最初の街はフライブルクです。

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フライブルクはドイツの中小都市にはよくある大学都市で、以前住んでいたノルトライン・ヴェストファーレン州(ドイツ北西部)の同じく大学都市、ミュンスターによく似た雰囲気です。

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でも、人の気質としては、南ドイツらしく、人懐こくて親切、北西ドイツの旧プロイセン天領ミュンスターの悪名高い「ミュンスター気質」とは大違いです。ミュンスター人の感じ悪さは有名で、あのベルリン人でさえ、「ミュンスター人と同じ電車には乗りたくない」と言うほどです。

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また、フライブルクといえば、一昔前、「環境先進都市」ということで日本の社会科の教科書にも載っていたのではないでしょうか。確か、ごみの分別とか、今ではどこの先進国でも当たり前に取り入れている環境対策をいち早く始めた都市だったとか。

ごく普通の典型的なドイツの地方都市ですが、ドイツらしい美しい町並みと親切な地元人…ということで、留学生として、初めてこの街を訪れた学生さんならきっと感動すると思います。

次の街はトリベルクです。

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こちらは黒い森のど真ん中、山間の街です。フライブルクにいると、遠くに山と森が見えるのでなんとなく黒い森地方にいるなぁ…と感じる程度ですが、このトリベルクは山道をずっと奥深く行った先にあるので、「森の奥深くに入り込んだぞ!」というのがよくわかります。

この街には、「ドイツで最も高い滝」とされるトリベルク滝があります。
以前、ここに来たことのある日本人の知人から「日本の滝に比べたら全然しょぼいし、がっかりするよ」と言われていましたが、クリスがどうしても行きたいようなので、行くことにしました。…といってもどーせ山道を運転するのはクリスですが←
行ってみたら、思いがけず、ちゃんとした滝でした。

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日本で知人がどんな滝を見てきたのかは知りませんが、これだったら全然しょぼくないのではないでしょうか。

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しかも滝の周りは遊歩道になっていて、歩いてみたら、これが結構距離も傾斜も迫力もあって本格的なハイキングになりました。

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猟犬のグスタフはまさに水に入った魚、険しい山道を駆け上がったり、何かの動物の巣になっているらしい洞穴に入り込んだり。

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ドイツでは、ダックスフントのことを通称「ヴァルディー(森の子)」と言うのですが、それはこの犬種が元々森で暮らす猟師の犬だったから。森を走り回るグスタフを見て、ドイツの子供たちが「ヴァルディーだ!」と嬉しそうに声をかけていました。

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このトリベルクが、今回の旅行で意外にも一番楽しい場所でした。ちなみにここはドイツ土産の鳩時計の生産地でもあり、そこらじゅうで手作りの鳩時計が売られています。原語では鳩時計は実は鳩ではなく「カッコウ時計」なんですが、現地では「民芸品」というよりも「伝統工芸品」扱いなので結構高いです。…もちろんお土産用に安いプラスチック製のものも売られていますが…。

伝統工芸品があり、典型的な黒い森地方の街並みが見られ、自然散策もできる観光地としては申し分ないトリベルクですが、何故か日本ではほとんど知られていないようでちょっと残念。反面、レストランなども観光地プライスではなく、地元の人たちが利用しているものが多く、安くて美味しいです。公共交通機関でも来られるようなので、是非、日本の方にも来ていただきたいです。

(アルザス編に続く)

テーマ : 海外旅行記
ジャンル : 海外情報

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クレマチ店主(母)/アコ(娘)+クリス(娘婿)

Author:クレマチ店主(母)/アコ(娘)+クリス(娘婿)
はじめまして!
アンティークショップ「クレマチス」(http://antique-clematis.sakura.ne.jp)店主の娘、アコです。

日本の古いものは大切に、でも、新しいもの・異質なものも寛容に受け入れる…そんな母の元、小さいころから日本舞踊を習い、現「クレマチス」店舗である祖母の古い日本家屋で、着物や日本の古いものにたくさん触れる一方、ピアノや外国語を習わせてもらったり、父の趣味であるクラッシック音楽や西洋美術を身近に触れる日々を送ってきました。

そんな両親の教育が功を奏し…いや、仇となり(?)、実生活にはあまり役に立たない比較文化分野で大学に居残り、これまたあまり役に立たないドイツ語だけペラペラに。おまけに語学を通して若くてイケメンな(笑)ドイツ人の夫と出会ってしまい、海外に嫁ぐという親不孝っぷり。

そんな娘を、ずっと温かく見守ってくれていた母。そんな母が、「古いものを大切にする喜びを、少しでも多くの人と分かち合いたい」という純粋な気持ちで、亡き祖母の家で始めた小さなアンティークショップ。元々、ずっと苦楽を共にした姑である祖母の家を、大好きなアンティークに囲まれた素敵な空間にしたい…という素朴な思いから始めたこのお店が、あれよあれよという間にいろいろなご縁を引き寄せて、母はいつの間にか、昔夢見たアンティークショップの店主になってました。

「古き良きものに洋の東西はない。和と洋は、互いを引き立て合う良きパートナーになれる!」…母が「クレマチス」で体現している価値観は、わたしたち夫婦のモットーでもあります。

このブログでは、そんな母と二人三脚で、「クレマチス」のお店の情報と併せてドイツの生活・風物について少しずつ紹介していきたいと思います。
どうぞよろしくお願いします。

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