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ベルリンの蚤の市

クリスマス・お正月の休暇を日本で過ごし、クリスと共に再びドイツに戻って来ました!
今年のドイツは暖冬で、ここ、ベルリンでも、例年なら見られる雪が、今年はほとんど見られません。

さて、ベルリンでは、毎週日曜日に蚤の市が開かれます。先週の日曜日、今年初めて、蚤の市に行ってきました。

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銀製品や陶磁器、アンティークのアクセサリーから家具、毛皮、一昔前の日用品など、ありとあらゆるものが売られています。中にはマイセンやババリア、ドレスデンなどのブランド磁器なども見られます。

…でも、ここだけの話、わたしたちは、ここではマイセンは買いません。
実は、ベルリンの壁の崩壊以来、旧東ドイツのこうした蚤の市は不穏になってきていて、某隣国、あるいは東欧や中東のあんな国やこんな国で、大量に古マイセンの偽物が作られ、こうした蚤の市で出回るようになってきてしまっているのです。ちなみに、旧西ドイツの州では、「アンティークに似せた新しいものを作ってはならない」という法律があり、かなり厳しく取り締まられているため、法の抜け穴状態になっている旧東ドイツの蚤の市がそうした業者に一斉に狙われたのだそう。

どうしてこんな話を知っているかと言うと…ベルリンで古くから骨董を扱っている人たちと仲良くすると、いろんな話を聞けるんです(笑)。

今回も、それらしい外国人風の男たちが「マイセンのテーブルセット一式を500ユーロで譲る」と訛りの強いドイツ語で話しかけてきました。とりあえず、「300ユーロしか出せない」と値切ってみると、あっさりOK。そんなに安いマイセンがあるかしら。かなり怪しいと思っていたら、奥の方で「ボス」と電話していた売り子の男が「これはホンモノのマイセンだから、やっぱりだめだ、ボスが2000ユーロだと言ってるぜ!」と割り込んできました。…怪しいですね。…やっぱりな、と思いながら立ち去りました。

さて、そんな蚤の市でも、時々掘り出し物に出会えることがあります。
今回の獲物はこれ。

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琥珀のブローチです。写真ではわかりませんが、4×3センチほどの大きさです。蚤の市では、目利きの知識や交渉の技も大切かもしれませんが、それ以上に、売り手の人柄を見る「人相見」の直感も大切です。この蚤の市に、ずっと昔から趣味で出店してきた骨董好きな地元の人…そんな売り手のいる屋台が、やっぱり居心地もいいし、話していても楽しいし、何より掘り出し物と出会える確率が高いのです。このブローチも、そんな東ドイツのおばさんの屋台で見つけました。

あまり知られていませんが、実は、ドイツは琥珀の一大産地なんです。
ドイツの琥珀に纏わる有名な話に、「Bernsteinzimmer(琥珀の間)」の伝説があります。

琥珀の間とは、プロイセン王によって作られた、壁面、家具、全てが琥珀と黄金でできた部屋のことです。日本の「黄金の茶室」のように、富と権力の象徴として、プロイセン王フリードリヒ一世によって制作が開始され、その後、息子のフリードリヒ・ヴィルヘルム一世によってロシアのピョートル大帝に送られました。

その後、長らくロシアの王宮にあった琥珀の間ですが…第二次世界大戦中、ドイツ軍によって再びロシアから運び去られ、ケーニヒスベルク(当時のドイツ領・現ロシア領カリーニングラード)で短い期間展示されます。

しかし、ドイツの敗戦後、この琥珀の間を見た者は誰も居ません。1944年のイギリス軍による空襲で焼失した、とも、ナチスドイツによって密かにハルツ山脈(ドイツ東部)のどこかに隠された、とも言われていますが、真相はわかっていません。

現在では、戦後発見されたごく一部の部屋の装飾などがドイツ政府によってロシアに返却され、ロシアのエカチェリーナ宮殿で復元された琥珀の間を見ることができます。しかし、オリジナルの行方は未だにわかっていません。この失われた琥珀の間を探して、今でもハルツ山脈のあちこちを掘り続けている探検家もいるのだとか。終戦直前、連合軍の手に落ちるのを恐れたナチスドイツが琥珀の間をバラバラに解体し、ドイツ全土にばら撒いたという噂まであったりします。

…もしかして、このブローチも元々琥珀の部屋の一部だったりして…。
そんなことはないでしょうが、なんともロマンを掻き立てられるドイツの琥珀です。
手に持っていると、なんだかとても温かい気持ちになってきます。

テーマ : ドイツ生活
ジャンル : 海外情報

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クレマチ店主(母)/アコ(娘)+クリス(娘婿)

Author:クレマチ店主(母)/アコ(娘)+クリス(娘婿)
はじめまして!
アンティークショップ「クレマチス」(http://antique-clematis.sakura.ne.jp)店主の娘、アコです。

日本の古いものは大切に、でも、新しいもの・異質なものも寛容に受け入れる…そんな母の元、小さいころから日本舞踊を習い、現「クレマチス」店舗である祖母の古い日本家屋で、着物や日本の古いものにたくさん触れる一方、ピアノや外国語を習わせてもらったり、父の趣味であるクラッシック音楽や西洋美術を身近に触れる日々を送ってきました。

そんな両親の教育が功を奏し…いや、仇となり(?)、実生活にはあまり役に立たない比較文化分野で大学に居残り、これまたあまり役に立たないドイツ語だけペラペラに。おまけに語学を通して若くてイケメンな(笑)ドイツ人の夫と出会ってしまい、海外に嫁ぐという親不孝っぷり。

そんな娘を、ずっと温かく見守ってくれていた母。そんな母が、「古いものを大切にする喜びを、少しでも多くの人と分かち合いたい」という純粋な気持ちで、亡き祖母の家で始めた小さなアンティークショップ。元々、ずっと苦楽を共にした姑である祖母の家を、大好きなアンティークに囲まれた素敵な空間にしたい…という素朴な思いから始めたこのお店が、あれよあれよという間にいろいろなご縁を引き寄せて、母はいつの間にか、昔夢見たアンティークショップの店主になってました。

「古き良きものに洋の東西はない。和と洋は、互いを引き立て合う良きパートナーになれる!」…母が「クレマチス」で体現している価値観は、わたしたち夫婦のモットーでもあります。

このブログでは、そんな母と二人三脚で、「クレマチス」のお店の情報と併せてドイツの生活・風物について少しずつ紹介していきたいと思います。
どうぞよろしくお願いします。

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