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イースター休暇ポーランド旅行~準備編

「今年のイースター休暇は、ポーランドへのドライブ旅行!」そう言うと、クリスの同僚も、教会の知人も、イタリア語講座のクラスメイトも、周囲のドイツ人はみんなちょっと意外そうな顔をします。

ドイツ人にとって、ポーランドは、近くて遠い隣国です。ドイツで暮らしていると肌で感じるのですが、ドイツ人とポーランド人の間には、非常に複雑に絡み合った歴史と、それに伴う根深い国民感情が双方にあります。そして、ポーランドには、あの、アウシュビッツがあります。

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ナチスの戦争犯罪のことだけでなく、両国の複雑な関係は、古くは中世の昔にドイツ人がポーランドに入植し、現地の人々を奴隷化しながら開拓を進めた歴史にまで遡ります。
一方ドイツ人の側にも、終戦直後に突然ポーランド領となった旧ドイツ領から、ドイツ系住民が非人道的に一掃され、しかもナチスの犯罪の陰に隠れて長くその事実を語ることすらできなかった…という、複雑な感情があります。また、戦争中に捕虜となっていたポーランド人将校がソ連軍によって大量虐殺された「カチンの森」事件が、共産主義時代のポーランドでは長らく「ドイツの仕業」とされてきたという事情もあります。そして、現在でも国内に大勢いるポーランド系の移民との間にトラブルを抱え、「ポーランド人は何でも盗む」という偏見が根強く残っていたりします。

だから多くのドイツ人にとってこの隣国は、物価の安さを利用して買い溜めに行く場所ではあっても、決して「楽しい休暇」を過ごしに行く場所というイメージではないようです。

一方で、ベルリンの街を歩いていると、ポーランド観光局が出していると思しきポーランドへの観光案内をあちこちで目にします。どれもポーランドの美しい自然や牧歌的田園風景を売りにしていて、暗いイメージを払拭しようと力を入れている様子も伺えます。

今回わたしたちは、イースター休暇中に数日間のドライブ旅行を計画していたのですが、ベルリンの地の利を生かした車で行けるドイツ以外の国…ということで、ポーランドを含む数カ国が候補に挙がった時に、「“ドイツ人として”、一生に一度はアウシュビッツを見ておきたい。」と、クリスが言い出しました。実はわたしにも、アウシュビッツには、ドイツ人のクリスと同じように、特別な感情があります。それは、アウシュビッツで亡くなったある女性手記が、その後の人生を変えるきっかけとなったこと…そして、わたしの洗礼名は、アウシュビッツで殉教した聖人と、同じ名前なのです。
…そういうわけで、ポーランドが今回の旅の目的地になりました。

行き先は、映画「シンドラーのリスト」のシンドラーの工場のあった、古都、クラカウ。…わたしたちは、当たり前のように「Krakau(クラカウ)」と呼んでいましたが、実はこれ、ドイツ語名で、本来ポーランド語では「Kraków(クラクフ)」と言うそうです。ナチスのホロコーストによって殲滅させられるまで、この街には大きなユダヤ人街があり、独特のユダヤ文化が存在しました。今回の旅行では、この旧ユダヤ人地区を始め、今は博物館になっているシンドラーの工場跡なども訪問する予定でしたが、ポーランド観光局が宣伝するポーランドの美しい自然や田園風景も楽しみにしていました。

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とはいえ、ドイツ人のクリスはポーランド人の反独感情はある程度覚悟していましたし、「ポーランド人は何でも盗む」というドイツでまことしやかに語られる噂についても、大方根も葉もない偏見だろうと予想はしていましたが、実際車の盗難被害はよく耳にします。どんな旅になるのか、全く予測不可能のポーランド。…一体何が待ち受けているのでしょうか…。「出発編」に続きます。

テーマ : 海外旅行記
ジャンル : 海外情報

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クレマチ店主(母)/アコ(娘)+クリス(娘婿)

Author:クレマチ店主(母)/アコ(娘)+クリス(娘婿)
はじめまして!
アンティークショップ「クレマチス」(http://antique-clematis.sakura.ne.jp)店主の娘、アコです。

日本の古いものは大切に、でも、新しいもの・異質なものも寛容に受け入れる…そんな母の元、小さいころから日本舞踊を習い、現「クレマチス」店舗である祖母の古い日本家屋で、着物や日本の古いものにたくさん触れる一方、ピアノや外国語を習わせてもらったり、父の趣味であるクラッシック音楽や西洋美術を身近に触れる日々を送ってきました。

そんな両親の教育が功を奏し…いや、仇となり(?)、実生活にはあまり役に立たない比較文化分野で大学に居残り、これまたあまり役に立たないドイツ語だけペラペラに。おまけに語学を通して若くてイケメンな(笑)ドイツ人の夫と出会ってしまい、海外に嫁ぐという親不孝っぷり。

そんな娘を、ずっと温かく見守ってくれていた母。そんな母が、「古いものを大切にする喜びを、少しでも多くの人と分かち合いたい」という純粋な気持ちで、亡き祖母の家で始めた小さなアンティークショップ。元々、ずっと苦楽を共にした姑である祖母の家を、大好きなアンティークに囲まれた素敵な空間にしたい…という素朴な思いから始めたこのお店が、あれよあれよという間にいろいろなご縁を引き寄せて、母はいつの間にか、昔夢見たアンティークショップの店主になってました。

「古き良きものに洋の東西はない。和と洋は、互いを引き立て合う良きパートナーになれる!」…母が「クレマチス」で体現している価値観は、わたしたち夫婦のモットーでもあります。

このブログでは、そんな母と二人三脚で、「クレマチス」のお店の情報と併せてドイツの生活・風物について少しずつ紹介していきたいと思います。
どうぞよろしくお願いします。

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