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金曜日は魚の日!

ドイツのキリスト教家庭では、伝統的に金曜日には肉ではなく魚を食べるという習慣がありました…が、現代ではそれを忠実に守っているのは恐らくバイエルンの山の中か修道院の塀の中くらいなのではないでしょうか。

でも、今でもその習慣の名残で、多くの都市では金曜日に魚の市が立ちます。

とは言っても、ドイツは大陸国で、海に面しているのは上の方のほんの一部の州のみ(北海とバルト海)。ほとんどの州が内陸州なので、日本のように豊富で新鮮な海産物に恵まれているとはお世辞にも言えません。
一般のスーパーで売られている魚はほとんどが瓶詰めか冷凍食品だったりします。
市場で売られている「新鮮な」はずの魚介類も、酢漬けだったり、長距離の輸送でくたくたになっていたり、種類も少なく、日本ではおなじみの魚たちは全くと言っていいほど見かけません。生魚は、庶民にはなかなか手の出ない高級食材なのです。

ところが最近、クリスの日本人の友人の奥様から、ベルリン在住の日本人の奥様たちの間で評判のとっておきの魚市場がある!という情報を教えていただきました。「サケやマグロは刺身にできるほど新鮮で美味しいし、カツオやブリまであって、まるで日本みたい」とのこと。しかも一緒に行こうと誘ってくださったので、これは行くしかない!…と、先週の金曜日、ドイツでは諦めかけていた新鮮な魚を求めて、このとっておきの魚市場へ連れて行っていただきました。

…場所は、ツェレンドルフという、日本で言うと、田園調布みたいな感じの、ちょっと郊外のハイソな地区で、シャレた一戸建てが立ち並ぶ地域です。住人は皆、ずっと昔からこの地域に住んできた人たちばかりで、外国人の姿は全くありません。移民の多い地区に住んでいるわたしからすれば、「え?ここもベルリン??」ドイツのこういう地区って、大抵ものすごく閉鎖的だし、市場と言ってもどうやら地元の人しか知らない内輪の朝市のようだし、こんなところに本当に日本人が買い物に来て大丈夫なのか??と一瞬思いましたが…

着いてみると、なんとお魚屋さんのお兄さん/おじさんたち、みんな片言の日本語が話せるではありませんか!
わたしたちを見るなり「コンニチーウヮ!おサシミですか?」と日本語でニコニコ話しかけてくるので、びっくりして、「お刺身がなんだか知ってるんですか?」と思わずわたしがドイツ語で声をかけたら、今度はお兄さんの方が「なんでそんな流暢なドイツ語が話せるんですか?」とびっくり。こっちこそ、「なんで日本語話せるんですか?」とお互いびっくり。

なんでも、この近くに日本大使館と日本人学校があり、ベルリンの壁があった頃からベルリン在住の日本人がよく買い物に来ているのだとか。それで、魚屋の店員も自然と日本好きが集まり、中の一人は本気で日本語学校に通って勉強しているのだとか。

そんなわけで、市場の人たちは、店員もお客さんもみんな日本人を見るとにこにこ会釈してくれたり、片言の日本語で挨拶してくれたり、日本人に対してとても友好的。

その後、この素敵な奥様とカフェでケーキとコーヒーをおつまみに楽しい世間話をした時も、いつもいつも感じ悪いはずのドイツのカフェのおばちゃんがいつになく優しかったような…。

この奥様のお陰で、とても素敵な金曜の午前を過ごすことができました。

そして買ってきたのは…お刺身にしても良いくらい新鮮なサケとマグロ、そして日本の桃と同じ味がするというWeinbergpfirgich(葡萄山桃)という種類の桃、それから、なんと生椎茸!…生椎茸なんて、ドイツではトリュフと同格、滅多に手に入らない高級食材です。これはまた本格五目御飯にしてやるとして、今回は、正真正銘、金曜ディナーを日本食で再現…って、最高じゃないですか?←

ところで、我が家は、いつも夫婦で一緒にご飯を作っています。…というか実質、三分の二ほどクリスが作っています。…と言うとクリスが気の毒だと思われるかもしれませんが、一応言い訳をしておくと、彼自身が、「毎日毎日君だけが料理を作っていたら申し訳ないからそうしたい」と言うのです。だからクリスが仕事から帰ってきてから二人で一緒に買い物に行き、一緒にご飯を作ります。

ついでに言うと、ドイツの男性は、料理だけでなく、家事全般に関して「自分の仕事」と思うように育ってきた人が多いので、普段は掃除から洗濯から、全部自分で当たり前のようにやってしまいます。で、彼が仕事に行っている間にわたしがやっておいたりすると、毎回こちらが逆に恥ずかしくなるくらい感謝されてしまいます。クリスが仕事に着て行くワイシャツを洗ってアイロンをかけてたたんでおいただけで、「君は本当に優しいね!職場で〟このシャツは妻がアイロンをかけてくれたんだ”って思うとすごくやる気が出るよ!お礼に今日はぼくが料理も片付けも全部するから、君は映画見ながらワインでも飲んで居間で寛いでいてね!」…ね、恥ずかしいでしょ(笑)!

…でも、今日こそはわたしが全部料理して冷たいビールと一緒に帰宅を待っていてあげよ!うそして、「ご飯にしますか?それともお風呂にしますか?」と日本の奥さんみたいなこと、言ってやろう!

と思って、料理下手のわたしが、作りましたよ!

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正直、「おいしそうでしょ!」って人に見せるほどの代物ではありませんが…
でも、ドイツでこの食材を入手できた!という感動と、クリスがこんな手抜き料理を「Göttermal(=神々の食卓)」と絶賛し、心から喜んでくれた、ということが書きたかったので写真載せてみました。

サケの刺身に添えたのは、Kohlrabi(コールラビ)というドイツのカブ?ラディッシュの一種で、これがお醤油に合うんですよ!
そして、マグロはコーンスターチをまぶして醤油ステーキにしました。

…て、ママなら「すごい手抜き料理」って言うでしょうが、クリスはもう感動しまくって、次の日になっても「昨日のご飯は最高だった!」と言ってくれてます
そして、日本語で「お刺身に、ビールは合いますね!」だって。
…日本人みたい!

そんな、幸せな金曜ディナーでした。

テーマ : ドイツ生活
ジャンル : 海外情報

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クレマチ店主(母)/アコ(娘)+クリス(娘婿)

Author:クレマチ店主(母)/アコ(娘)+クリス(娘婿)
はじめまして!
アンティークショップ「クレマチス」(http://antique-clematis.sakura.ne.jp)店主の娘、アコです。

日本の古いものは大切に、でも、新しいもの・異質なものも寛容に受け入れる…そんな母の元、小さいころから日本舞踊を習い、現「クレマチス」店舗である祖母の古い日本家屋で、着物や日本の古いものにたくさん触れる一方、ピアノや外国語を習わせてもらったり、父の趣味であるクラッシック音楽や西洋美術を身近に触れる日々を送ってきました。

そんな両親の教育が功を奏し…いや、仇となり(?)、実生活にはあまり役に立たない比較文化分野で大学に居残り、これまたあまり役に立たないドイツ語だけペラペラに。おまけに語学を通して若くてイケメンな(笑)ドイツ人の夫と出会ってしまい、海外に嫁ぐという親不孝っぷり。

そんな娘を、ずっと温かく見守ってくれていた母。そんな母が、「古いものを大切にする喜びを、少しでも多くの人と分かち合いたい」という純粋な気持ちで、亡き祖母の家で始めた小さなアンティークショップ。元々、ずっと苦楽を共にした姑である祖母の家を、大好きなアンティークに囲まれた素敵な空間にしたい…という素朴な思いから始めたこのお店が、あれよあれよという間にいろいろなご縁を引き寄せて、母はいつの間にか、昔夢見たアンティークショップの店主になってました。

「古き良きものに洋の東西はない。和と洋は、互いを引き立て合う良きパートナーになれる!」…母が「クレマチス」で体現している価値観は、わたしたち夫婦のモットーでもあります。

このブログでは、そんな母と二人三脚で、「クレマチス」のお店の情報と併せてドイツの生活・風物について少しずつ紹介していきたいと思います。
どうぞよろしくお願いします。

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