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10月3日

ママのお店、「クレマチス」は7周年を迎えたのですね、おめでとう!
ついでにわたしも「おめでとう!」と言って欲しい…わけではありませんが、10月3日はわたしの誕生日でした。実は、ドイツでは10月3日は国民の祝日!だからクリスは毎年わたしの誕生日にはお仕事お休みだし、首都のベルリンではイベントが開催され、花火も上がり、首相も祝辞を述べ、まるでVIPにでもなった気分…て、もちろん、祝われているのはわたしの誕生日ではありません、「ドイツ」の誕生日なのです。10月3日は、冷戦の象徴であった東西ドイツが、1990年に再び統一された記念日なのです。(ちなみにベルリンの壁が崩壊したのは1989年11月9日)

実は、わたしたちの住んでいるアパートのすぐ裏に、この激動の歴史の舞台となった場所があります。
それが、この橋。

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Bohnholmerstraße(ボーンホルマーシュトラーセ)という所にある、 Bösebrücke(ベーゼブリュッケ)という橋です。実はこの橋、かつては東ベルリンと西ベルリンの国境で、この橋の向こう側は西ベルリン、ベルリンの壁が立ちはだかり、監視塔が聳え立っていました。

1989年、統一の機運が高まり、東ドイツ各地で反体制デモが繰り広げられる中、東ドイツ政府は妥協案的に新旅行法を公布、施行しました。この新旅行法、「旅行の自由化」を謳いながら、「誰でもビザさえ取得すれば自由に旅行ができる(でも、ビザを取るのはこれまで通り非常に難しい)」という内容のものでした。…ところが…この新旅行法の施行を生放送で伝えていた東ドイツのスポークスマン、ギュンター・シャボウスキー氏が、「この法の施行は失敗だったとは思いませんか?」というイタリア人記者の質問に困惑し、思わず「だから、今日制定されたこの法によって、全ての東ドイツ市民が国境を越えて旅行できる可能性を得たのだ!」と言ってしまい、それを生放送で聞いていた東ドイツ市民が「ビザなしでも越境できる!」と勘違い、大挙してベルリンの壁の検問所に押し寄せたのでした。

当時の東ドイツの国境警備隊には、この生放送の内容は伝わっていなかったため、「シャボウスキーがそう言ったんだ、壁を開けろ!」と押し寄せる市民と、何の命令もなくうろたえる十数名の国境警備隊との間で押し問答となり、発砲するか、壁を開放するかという緊迫した状況の最中、壁の建設以来始めて東西国境を開放したのが、この、ボーンホルマーの橋の検問所だったのです。

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これが、その検問所の監視塔跡です。今は見る影もありませんが、壁が開放されるその瞬間まで、ここを強行突破しようとする市民に容赦なく銃口を向けた監視塔があった場所です。


わたしの誕生日の10月3日、クリスが用意してくれた豪華な朝食を食べた後、犬のグスタフも連れて、二人で近所に散歩に行きました。そして、偶然ボーンホルマーを通った時です、橋の下の線路を通過する電車や、橋の上を通過する市電が皆、大きな音で汽笛を鳴らしながら通って行きます。ついでに、橋の上を通る一般の車もみんなこれでもかとばかりにブーブーと鳴らしていきます。「あれは何?」とクリスに聞くと、「今日は東ドイツと西ドイツの結婚記念日みたいなものだから、旧国境を越える乗り物はみんな結婚式と同じことをやっていくんだよ。」だそう。ドイツでは、結婚式場へ向かう新郎新婦を乗せた車は、お祝いの意味を込めてブーブーと警告音を鳴らし、それを聞いた他の車も「おめでとう」の意味を込めて一斉にブーブーと祝福します。

東ドイツと西ドイツの「結婚生活」は、23年も経てばいろいろあるようですが…
わたしとクリスは相変わらずラブラブですよ!
誕生日のディナーは、ドイツ料理のレストランで、秋限定の牡鹿のソテーにクネーデル(ジャガイモ団子)と、白ワイン、シュナプスを頂きました。…高級レストランだったので、写真は撮れませんでしたが…

テーマ : ドイツ生活
ジャンル : 海外情報

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クレマチ店主(母)/アコ(娘)+クリス(娘婿)

Author:クレマチ店主(母)/アコ(娘)+クリス(娘婿)
はじめまして!
アンティークショップ「クレマチス」(http://antique-clematis.sakura.ne.jp)店主の娘、アコです。

日本の古いものは大切に、でも、新しいもの・異質なものも寛容に受け入れる…そんな母の元、小さいころから日本舞踊を習い、現「クレマチス」店舗である祖母の古い日本家屋で、着物や日本の古いものにたくさん触れる一方、ピアノや外国語を習わせてもらったり、父の趣味であるクラッシック音楽や西洋美術を身近に触れる日々を送ってきました。

そんな両親の教育が功を奏し…いや、仇となり(?)、実生活にはあまり役に立たない比較文化分野で大学に居残り、これまたあまり役に立たないドイツ語だけペラペラに。おまけに語学を通して若くてイケメンな(笑)ドイツ人の夫と出会ってしまい、海外に嫁ぐという親不孝っぷり。

そんな娘を、ずっと温かく見守ってくれていた母。そんな母が、「古いものを大切にする喜びを、少しでも多くの人と分かち合いたい」という純粋な気持ちで、亡き祖母の家で始めた小さなアンティークショップ。元々、ずっと苦楽を共にした姑である祖母の家を、大好きなアンティークに囲まれた素敵な空間にしたい…という素朴な思いから始めたこのお店が、あれよあれよという間にいろいろなご縁を引き寄せて、母はいつの間にか、昔夢見たアンティークショップの店主になってました。

「古き良きものに洋の東西はない。和と洋は、互いを引き立て合う良きパートナーになれる!」…母が「クレマチス」で体現している価値観は、わたしたち夫婦のモットーでもあります。

このブログでは、そんな母と二人三脚で、「クレマチス」のお店の情報と併せてドイツの生活・風物について少しずつ紹介していきたいと思います。
どうぞよろしくお願いします。

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