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黒い森・アルザス紀行―ストラスブール編

だいぶ時間が空いてしまいましたが、明日から休暇でクリスとスイス・イタリアに旅行に行くので、その前に何としてでも前回の旅日記の続きを書かなければ!ということで、黒い森・アルザス旅行記の続き、ストラスブールです。

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黒い森を抜け、ドイツのケールという街に出ると、ドイツ鉄道の大きな駅の後ろにライン川にかかる大きな橋があり、車でその橋に差し掛かると、突然「アルザスに入りました」というフランス語の看板が現れ、何もかもフランス語表示に変わってしまいます。わたしたちのスマホも海外料金になってしまうので慌てて「飛行機モード」に切り替えます。ただ、車の中のドイツ語ラジオだけはそのままでした。

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ストラスブールの街並みは、古くからある民家はドイツ風、後から建てられた官庁や住宅街はフランス風と言った感じです。 旧市街も、ドイツ式の木組みの建物があるかと思えばその隣にフランス風のアールヌーヴォー建築が建っていたり。

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そして面白いと思ったのが、旧市街の通りの名前。独仏並記で「焼け落ちた館」だの「赤い緊縛師の縄」だの「拷問吏の小道」だの、奇妙なものばかり。ただ、これらの地名はドイツ語版の方が韻を踏んでいたり自然に聞こえるのに対しフランス語版は単なる直訳っぽいのでオリジナルはドイツ語だったと思われます。

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この街は元々神聖ローマ帝国領だったそうですが、近世にフランスが侵略・併合、その後、戦争が起こるたびに帰属がドイツになったりフランスになったり…第二次世界大戦のドイツ敗北によって、現在はフランス領となりました。

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このドイツ的なゴシックの大聖堂も、たぶんドイツ時代に建てられたもので、フランス語で「ミュンスター・カテドラル」と書かれていましたが、ミュンスターはドイツ語でカテドラルの意なのでダブルミーニングになってますね。ドイツ人が「ミュンスター」と言っていたのを、フランス人が固有名詞だと思ったのかもしれません。

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ただ、今のストラスブールがこんなに栄えて都市めいているのも、恐らくフランス文化の影響だと思います。ドイツ人は都市めいたものを嫌う伝統があるので、黒い森の村々や小都市の雰囲気はまるで違います。その昔、このストラスブールからドイツの黒い森地方に侵略したナポレオン軍は、理性の支配する西洋の都会と奇妙な森の掟が存在するドイツの黒い森のギャップに驚いたことと思います。アメリカが作った「グリム兄弟」の映画に、その辺りの「フランスの西洋近代的理論理性対ドイツの魔術的中世的発想の衝突」が描かれていると思います。

そういえば、EUの構想者の一人が確かこのアルザス地方出身で、ドイツとフランスの覇権争いの歴史を身を持って体験した人間として、そのようなことが今後ヨーロッパで起こらないようにするためにはどうしたらいのか…と思案した結果、今のEUに繋がるヨーロッパ共同体の発想に至ったそうなのです。そのせいか、街の至る所にEUを意識したと思われるスローガンが掲げられ、隣のドイツの街ケールとの「友情」を謳う看板などが立てられています。

そのEU関連の広告の一環なのか、市電にもこんなペイントが…

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「Euro」と「Optimist」を引っかけて「親ユーロ」をアピールしているのかもしれませんが、わたしには「未だにユーロを信奉する奴は超おめでたい楽観主義者w」という皮肉にしか見えませんでした(笑)。

さて、そんな国境の街、ストラスブールを通り過ぎ、リクヴィールとコルマーというアルザス地方の二つの街に向かいます。
(リクヴィールとコルマール編に続く)

テーマ : 海外旅行記
ジャンル : 海外情報

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クレマチ店主(母)/アコ(娘)+クリス(娘婿)

Author:クレマチ店主(母)/アコ(娘)+クリス(娘婿)
はじめまして!
アンティークショップ「クレマチス」(http://antique-clematis.sakura.ne.jp)店主の娘、アコです。

日本の古いものは大切に、でも、新しいもの・異質なものも寛容に受け入れる…そんな母の元、小さいころから日本舞踊を習い、現「クレマチス」店舗である祖母の古い日本家屋で、着物や日本の古いものにたくさん触れる一方、ピアノや外国語を習わせてもらったり、父の趣味であるクラッシック音楽や西洋美術を身近に触れる日々を送ってきました。

そんな両親の教育が功を奏し…いや、仇となり(?)、実生活にはあまり役に立たない比較文化分野で大学に居残り、これまたあまり役に立たないドイツ語だけペラペラに。おまけに語学を通して若くてイケメンな(笑)ドイツ人の夫と出会ってしまい、海外に嫁ぐという親不孝っぷり。

そんな娘を、ずっと温かく見守ってくれていた母。そんな母が、「古いものを大切にする喜びを、少しでも多くの人と分かち合いたい」という純粋な気持ちで、亡き祖母の家で始めた小さなアンティークショップ。元々、ずっと苦楽を共にした姑である祖母の家を、大好きなアンティークに囲まれた素敵な空間にしたい…という素朴な思いから始めたこのお店が、あれよあれよという間にいろいろなご縁を引き寄せて、母はいつの間にか、昔夢見たアンティークショップの店主になってました。

「古き良きものに洋の東西はない。和と洋は、互いを引き立て合う良きパートナーになれる!」…母が「クレマチス」で体現している価値観は、わたしたち夫婦のモットーでもあります。

このブログでは、そんな母と二人三脚で、「クレマチス」のお店の情報と併せてドイツの生活・風物について少しずつ紹介していきたいと思います。
どうぞよろしくお願いします。

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