南仏プロヴァンス旅行~滞在編1~

村というよりも、数軒の家が連なって建っているだけの集落もあります。

むしろそうした集落の方が多いです。

これらの集落は、傍を通る道がアスファルトに変わったこと以外、本当に何百年もの間、殆ど変わっていないのかもしれません。

郊外には、こんな風にラベンダー畑が広がっていたり…

ヒマワリ畑が広がっていたり。

そして、集落と集落の間には、こんな風に断崖絶壁の山々が聳え立っています。

今でこそこうした岸壁を貫通する形で築かれたトンネルがあり、自家用車で集落間を行き来できますが、一昔前は陸の孤島のような集落も沢山あったのではないでしょうか。

今でも秘境の面影は十分残っています。滞在中、観光バスはおろか、路線バスすら全く見かけませんでした。それもそうですよね。こんな所、大型車両では通れないんじゃないでしょうか。

岩山の間にはこんな川が流れていて、地元の人たちが泳いでいる姿をよく見かけましたが、水は灰分(?)で真っ白!硬度・PHの高い典型的なヨーロッパの水のようです。こんな水で泳いだら髪の毛バサバサになりそうです。

因みにこの川のほとりにあったこの村は、プロヴァンスの田舎の集落の中ではかなり規模が大きい部類ですよ!

そしてこの村の軽食屋で食べたこのオムレツが本当に美味でした。こんなタダのオムレツがどうやったらこんなに美味しくなるんでしょうね?不思議で仕方ありません。ドイツのそこそこの地方都市の四つ星レストランで出てくるものよりもこの軽食屋のオムレツの方がよっぽど美味しいです。なんとなく、こういう田舎の軽食屋のオムレツにこそ美食大国フランスの真骨頂があるように感じます。観光ガイドにも載ってないような山奥の村の軽食屋が卵だけを使って他国の四つ星レストランよりも美味しいものを出せてしまうっていうのが、フランスの真の実力なんでしょうね。

食べ物談義に関してですが、わたしたちがフランクフルトでお世話になっている、元企業経営者のドイツ人のご隠居が「プロヴァンスに行くなら食事のことは心配しなくてもいい。あそこには美味しくないレストランは存在しないから。」と言っていました。でも、正装して入るような五つ星の高級レストランなどはありません。どこも田舎の「飯屋」です。それが、上の写真のような料理を出すのです。これ、カンガルーのステーキなんだそうです。お味の方は、微かに独特の臭みがあり、「カンガルー」と言われると納得します。でも、ソースがものすごく美味しいので食べれてしまいます。こういうの、フランクフルトの高級創作料理店(勿論星付き)で気取り屋&見栄っ張りなホワイトカラーがバリっとスーツ着こんで食べてる写真をSNSとかにアップしていそうですが、村の飯屋の「今日のコース」の一皿です。
で、このレストランのアンビエンテがこれw

なんせ山奥の田舎の地元の人しか来ないような飯屋なんで、屋外です(笑)。で、こんな風にオーナー一家のわんちゃんが「ちょーだい!」と挨拶に来てくれます。犬好きにはたまりませんね。
因みに厨房は一応屋内にあるんですが、それも農家の小屋のような建物で、厨房以外はワイン倉庫になっていて、屋内のテーブル席はレストランというよりも地元の人たちがワインを飲みがてらおしゃべりするバーのようになっていました。
さて、そんなプロヴァンスの宿ですが…
ナビに従て宿を目指して走ったところ、着いたのがこれ。

「目的地に到着しました。」って言われて目の前にあったのがこの掘っ立て小屋。(因みに写真左端はグスタフの頭)途中、「こんな畑しかないところにホテルあるわけないからナビ絶対間違ってるよ!」って言ったんだけど…クリスはステレオタイプのようなドイツ人なのでナビに絶対服従してとんでもない場所にたどり着くのは初めてじゃないし、途中何を言っても頑固だからナビの言うこと以外絶対聞かないんですよw
その後、グーグルマップでなんとかたどり着いたのがこちら。

こう見えてもホテルなんです。誰も住まなくなった古い民家を村の人たちが一から修復・手入れして改修し、夏の間旅人に貸しているのです。一軒家、完全貸し切りです。
中はこんな感じの本場ブロカントスタイル。

自炊できるようにバーもキッチンもついているんですが、れっきとしたホテルです。村の人たちがフレンチスタイルの朝食をルームサービスしてくれるし、ベッドメイキングも掃除も普通のホテル同様にしてくれます。

ベッドはこんな風になっていて、カップルにぴったりですね。

グスタフもソファーの上で早速寛いでいます。
次回は更にプロヴァンスの風景を紹介します。