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ワーグナーのオペラ

久々に、ドイツからの更新です。

あまりそんなイメージはないかもしれませんが、ドイツって、音楽王国なのです。ちょっとした地方都市には必ず劇場やオペラハウスがあり、市民レベルでクラッシックのコンサートを楽しむことができます。昨日、わたしたちも市民劇場にワーグナーのオペラを見に行ってきました。

最近、仕事で帰りが遅くなることの多かった主人。ある日、久々に早く家に帰って来ると、背中の後ろからさっと花束と劇場のチケットを差し出して、「最近、帰りが遅くてごめん!…君、ワーグナー好きだって言ってたよね?一緒に来てくれるかい?」ひええぇええ…ドイツ人て、こんなハズカシイこと普通にやってのけてしまうんですね(汗)。

確かに、ワーグナーは好き(というか興味ある)と言ったけれど、まだ一度も生のオペラで見たことはなかったんです。初めてのワーグナーのオペラを、本場ドイツで、最愛の人と鑑賞できるなんて最高じゃないですか ^^

そして当日である昨日の午後、せっかくのオペラなんだから、思いっきり綺麗にして行かなきゃ!と張り切って、フェイスパックにヘアパックにマニキュア・ペディキュア中と、すごい格好で寛ぎながら実家の母と長電話をしていたら、まだ早い時間なのに彼が帰って来てしまいました。…が、「いいよいいよ、そのままで…」と彼が言うのでついつい母とおしゃべりし続けていたら、いつの間にか台所からいい香りが…彼が夕ご飯を作ってくれました!

うちの主人、料理が得意なのですが、一緒に暮らし始めた時から「料理を作るのは自分の仕事」と思っているようで…それでももちろん、普段は一緒に作っているのですが、「手伝ってくれてありがとう」なんて言われてしまいます。しかも今日は完全に彼に作ってもらっちゃいました。

これは文化の違いもあるのかもしれませんが、彼は小さい頃から家事を率先してやらされてきたらしく、掃除・洗濯・料理、なんでもできる上、そういうことは男性が積極的にやるものだと思っているようなのです。一緒に暮らし始めたばかりの頃、わたしが部屋の掃除機をかけていたら、「えっ!掃除機かけてくれるの?自分から掃除機かけてくれる女の人なんて、初めてだよ!」と言われてしまいました。掃除も洗濯も、わたしよりもよっぽど手際よく、そしていつも一緒に家事をすると「手伝ってくれてありがとう」なんて反応をされてしまいます…そういう感覚なんですね(汗)

さて、そんな彼が作ってくれたラタトゥーユソースのパスタを食べて、お腹一杯になったところでオペラに出かけました。服装、迷いましたが、ベルトの付いた黒のひざ下ワンピースに黒の革ブーツ+赤のフォーマルコートに飾りのついた白いベレー帽、そしてアクセはスワロフスキーのペンダントにしました。主人は黒のスーツに黒のウール地トレンチコートです。

会場はStadttheater(市民劇場)なので、ドレスコードはそれほどでもなく、わたしたちの服装で調度良かったかな…と思います。演目は「さまよえるオランダ人」。この世と煉獄の狭間を彷徨うオランダ人の幽霊船の話です。この幽霊船の船長は、呪いを受け、7年に一度だけ上陸できるのですが、乙女の愛を受けなければ呪いは解かれず、死ぬことも許されずに永遠に海を彷徨わなければならない…って、なんだか「パイレーツ・オブ・カリビアン」みたいですが(笑)。そして、最終的には運命の女性を見つけるのですが…彼女の死をもって結ばれるというなんともバッドエンドな作品です。まあ、ワーグナーってだいたいそうなんですけどね。でも、「永遠の愛」をテーマにした作品で、愛する人と一緒に見るとじぃんときます。

一つがっかりだったのが、最近流行りの「今風演出」だったこと。舞台が現代に設定されていて、台詞と全然合ってないのです。歌詞がこってこての古い文語ドイツ語なのに、服装が現代とか、ありえないんですけど…。日本で例えれば、歌舞伎の歌詞で、服装・小道具・舞台が全部現代みたいなかんじです。歌詞が古典すぎるので、ドイツ語テキストなのにドイツ人のためにドイツ語の字幕が出ている始末。主人もこれに頼っていて、これはむしろネイティブの彼よりもドイツ文学をやっていたわたしの方が強かったり。。そんな作品に現代風演出なんて、ちぐはぐです。せっかくの作品が、これだとコメディみたい。これはわたしの主観なんですが、なんでも古典を無理やり今風にアレンジして、オリジナルよりも良くなることなんてあり得ないと思います。これはオペラだけじゃなく、バレエや歌舞伎にも言えると思いますが。

それにしても、さすがワーグナー。こんなにめちゃめちゃな演出が入っても、イデーというか、イデオロギーは不滅のようです。だからこそ、こういう演出を許してしまうのかもしれませんが。この作品のコンセプトというのは、要は「男を救えるのは、女性の清らかな永遠の愛だけなのだ!」。うちの主人や、その他周囲の男たちを見ていると、ドイツ人って未だにそうやって生きているようですwゲーテやシラーからワーグナーに至るまで、ドイツ人ってホントに女性に夢、見過ぎ!…でもそれを単なる妄想に終わらせず、夫婦生活で実現してしまうところがすごいですが。。

とりあえず、うちのローエングリン氏のお陰でよい晩を過ごせました^^

テーマ : ドイツ生活
ジャンル : 海外情報

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クレマチ店主(母)/アコ(娘)+クリス(娘婿)

Author:クレマチ店主(母)/アコ(娘)+クリス(娘婿)
はじめまして!
アンティークショップ「クレマチス」(http://antique-clematis.sakura.ne.jp)店主の娘、アコです。

日本の古いものは大切に、でも、新しいもの・異質なものも寛容に受け入れる…そんな母の元、小さいころから日本舞踊を習い、現「クレマチス」店舗である祖母の古い日本家屋で、着物や日本の古いものにたくさん触れる一方、ピアノや外国語を習わせてもらったり、父の趣味であるクラッシック音楽や西洋美術を身近に触れる日々を送ってきました。

そんな両親の教育が功を奏し…いや、仇となり(?)、実生活にはあまり役に立たない比較文化分野で大学に居残り、これまたあまり役に立たないドイツ語だけペラペラに。おまけに語学を通して若くてイケメンな(笑)ドイツ人の夫と出会ってしまい、海外に嫁ぐという親不孝っぷり。

そんな娘を、ずっと温かく見守ってくれていた母。そんな母が、「古いものを大切にする喜びを、少しでも多くの人と分かち合いたい」という純粋な気持ちで、亡き祖母の家で始めた小さなアンティークショップ。元々、ずっと苦楽を共にした姑である祖母の家を、大好きなアンティークに囲まれた素敵な空間にしたい…という素朴な思いから始めたこのお店が、あれよあれよという間にいろいろなご縁を引き寄せて、母はいつの間にか、昔夢見たアンティークショップの店主になってました。

「古き良きものに洋の東西はない。和と洋は、互いを引き立て合う良きパートナーになれる!」…母が「クレマチス」で体現している価値観は、わたしたち夫婦のモットーでもあります。

このブログでは、そんな母と二人三脚で、「クレマチス」のお店の情報と併せてドイツの生活・風物について少しずつ紹介していきたいと思います。
どうぞよろしくお願いします。

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