スー・クインのテディベア
…でも、この子たち、どこかで見たような…。
そう、去年のクリスマス、母がわたしにプレゼントしてくれたうさぎのぬいぐるみが、このクマたちと同じ雰囲気なのです。
そして、母がプレゼントしてくれたものと同じうさぎのぬいぐるみも、お店にちゃんといるではありませんか!
![P2011_0713_111754[1]](https://blog-imgs-35-origin.fc2.com/a/n/t/antiqueclematis/2011121423181386a.jpg)
母によると、これらのぬいぐるみはスー・クインさんというイギリスのテディ・ベア作家が作ったもので、どれも手作りの限定品なんだとか。
実は、母がこのうさぎのぬいぐるみをわたしにプレゼントしてくれたのには訳があるんです。それは、このうさぎ、「レインボー・ラビット」が、実家で可愛がっている犬のリリーに似ているから!
はるばるイギリスから日本に渡り、さらに日本からドイツに連れて行かれてしまったこのレインボー・ラビット、ただのぬいぐるみとあなどるなかれ。築100年(!)のおんぼろアパートが、小さな小さなこのうさぎを置いてみたら、ぱっと明るい雰囲気になったのです。…と言うと、大袈裟く聞こえるかもしれませんが、本当です。部屋に入るとすぐ、目に付く場所に置いたイギリスアンティークのビューローに、この子を座らせてみたら、築100年の歴史の重みとヨーロッパ式の暗い照明のせいで、ともすると暗く、重苦しい雰囲気になりがちだった我が家に、ほんわりとした空気が広がったのです。
もちろん、この子を見るたび、日本の母を思い出し、かわいがっていたリリーのことを思い出し、温かい気持ちになるのは言うまでもありません。
母曰く、「この子たちは、一体一体、愛着が湧くというよりも、愛情が湧くような、そんな小さな動物たちなの。スー・クインが手作りしている間に命が宿るのだから、工場で無機質に生産されているものとは違うのよ。」
手にした人それぞれの人生の物語に、そっと寄り添うことのできる、小さな「ぬいぐるみ」。なんだかただの「ぬいぐるみ」なんて言えないような雰囲気を、どの子も持っているようです。
わたしも改めて、はるばるドイツへ母の愛情を届けてくれたこの子を大事にしよう!…と。